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下島温泉 朝六荘(岐阜県下呂市小坂)<悠久の旅人・日本の宿File No.192>

昭和レトロ感が、半端ないオンボロ温泉宿。
女性や子供連れにはおススメしません。
が、温泉好し、料理旨し、コスパ感良し…。
あるはずのものが無い、もう無いはずのものが有る、冒険心と好奇心がそそられる、クセがスゴイ温泉宿です!?


宿泊日:2022年8月9日(火)
宿泊プラン:1泊朝夕食付き。
部屋タイプ:和室6畳(洗面台無し、トイレ無し)。
宿泊代:8,400円(消費税込)。
おすすめ度:★★★☺☺♡♡♡(5点満点中、3.9点)
マップ <下島温泉 朝六荘
<悠久の旅人・宿File No.192>
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<宿の概要、アクセス、宿泊料金>
飛騨小坂は、下呂市の北部に位置します。
下呂温泉からは、車やJR高山本線利用で、約30分ほどです。
日本一滝の多い町として知られ、小坂の滝巡りが有名です。
また、標高1,800mの秘湯 濁川温泉や、日本では希少な天然炭酸泉の湯屋・下島温泉があります。

今宵の宿は、飛騨小坂市街地から小坂川沿いに車で10分ほど山間へ入った下島温泉にあります。
下島温泉は、御岳山の西北麓に位置する海抜600m、小坂川の清流に沿う温泉地です。
宿は木造2階建てで、総部屋数は15室です。
外観

今回は、平日に和室を一人で利用、朝夕食付きで、料金は8,400円(税込)です。※別途、入湯税150円が必要。
宿の標準的なチェックイン時間は15時から、チェックアウトは10時です。

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<チェックイン>
国道41号線を北上し、下呂温泉を過ぎ、飛騨川沿いを30分ほど走り、小坂バイパスで側道に入り、
県道を小坂川沿いに東へ走ります。
やがて、右手に道の駅があり、そこからは2~3kmで、宿に到着しました。
建物の前の駐車スペースに車を止め、玄関口へ。
外観_エントランス

一歩、館内へ踏み込んだ瞬間から、タイムトラベルの始まりでしょうか。
まるで、むぎ焼酎二階堂のCMの世界です。
館内_玄関

玄関で下足を脱ぎ、廊下の奥に向かって、声を掛けます。
「すんませ~ん。こんにちはぁ!」
館内_帳場4

奥から年配の宿主が現れました。
帳場で宿泊手続きをし、食事と風呂場の説明を受けます。
しかし、この帳場のショーケースの中味は何なのでしょうか?
まるで、骨董屋のカウンターのようです。
館内_帳場3

ここで、事前の情報と違う事実が判明!
一.入浴時間は、夜は22時まで、とのこと。
あれっ、温泉は冬以外は24時間入浴可能って、書いてなかったっけ?
一.食事は食堂で準備します、とのこと。
プランでは、部屋食ってなってましたが。
手伝いの女性が体調を崩して欠勤しているので、手が足りないとのこと。
どうやら、今日は、宿主がひとりで客対応するようです。

まあ、しゃあないか。
ということで、とりあえず、レトロ感満点の階段を上がり、2階の客室へ。
館内_階段

さっき、階段の奥に見えたショーウインドーの中の亀は、なんなんだ?
そんなことを考えながら、
とりあえず、硝子の引き戸を開けて、部屋の中へ入りましょう。
館内_客室階廊下


<部屋は>
部屋の広さは、6畳。
窓側に広縁スペースがありますので、窮屈感はありません。
和室1

ドア側にも踏込みスペースがあります。
テレビは、ブラウン管ではなく、液晶です。
和室2

広縁には、チェアセットが置かれています。
和室3_広縁

窓の外は、小坂川の流れを見渡すことができます。
川のせせらぎ音が、聞こえます。
和室_景観

部屋のその他の備品は、座卓とお茶セット。
和室4_座卓

クローゼットは、広縁側にあります。
浴衣、ハンドタオル、バスタオルが用意されています。
和室5_クローゼット

部屋にエアコンはありません。
昭和時代に製造された強固で、壊れない扇風機があるだけです。
和室_レトロ扇風機

ただ、扇風機の持ち運びの際は、気を付けてください。
ガードの間から、指が入ってしまいます。回っている羽に当たると危険です。
そう言えば、子供の頃、親から口酸っぱく注意されてました。
忘れてました。人差し指を傷つけてしまいました…軽傷ですが。
まあ、ツバ付けときゃ、治るか。

宿は、標高600mの高地にあり、河の近くに建っているので、真夏でも、夜は結構涼しいです。

冷蔵庫・・・ありません。
金庫・・・ありません。

えっ、部屋でWi-Fi使えるかって。
昭和の時代に、そんなもの、ありません!

尚、もちろんながら、部屋に洗面台、トイレは無く、共用となります。
廊下の突き当りに、共用の洗面台。
共用_洗面台

その奥には、共用のトイレがあります。
どうやら、男女兼用のようです。
しかも、男性用小便器の水洗が故障していて、水が流れません。
共用_トイレ

トイレは、昔よく経験した、強烈な消臭剤のニオイが…
これだけ臭うのは、水が流れないからでしょう。
何とか、小便器の水洗を修理して頂きたいものです。
他は我慢するので、これだけは、お願い!





<大浴場は>
ちょっと、旅の疲れが増幅されたようなので、早速、案内された風呂場へ。

宿の温泉の泉質は、単純泉- ナトリウム炭酸水素塩泉です。
飲んで効くサイダー泉で、胃腸にも良く効くと云われています。

大浴場へは、1階の帳場の奥へと進みます。
館内_通路

この右手が食事場所ですね。
とりあえず、廊下をさらに奥へ。
大浴場_通路

大浴場入口にある洗面台。
「故障中、使用禁止」の張り紙があります。いつから故障しているのやら・・・。
大浴場_1入口

シンプルすぎる脱衣所。
大浴場_1脱衣所

角型の浴槽。
まわりは、バスマットが敷き詰められています。
畳敷きになっている風呂場は何度か経験していますが、バスマット敷きは、初めてです。。。
大浴場_1浴槽1

いろいろな現象には目をつぶって、足を伸ばして、ゆったりと温泉を楽しむことにしましょう。
大浴場_1浴槽2

ライオンの口から、溢れんばかりに炭酸泉の湯が噴き出してきます!
これは、なかなか、贅沢!?
大浴場_1浴槽3

洗い場は、3人分くらいのスペースです。
隅っこに、岩風のオブジェ?と、信楽焼のたぬきが。
もう、見たもの全ての意味を問うのはやめにしましょう。
大浴場_1洗い場


実は、翌朝、気づいたのですが、大浴場は、もうひとつありました。
こちら、「男湯 24時間入浴可能」となっています。
宿泊客が少なかったので、こちらは閉鎖していたのでしょう。
昨夜入った風呂場は、よく見ると、「女湯 夜10時まで」の貼り紙があります。

入口にある洗面台は、使えそうです。
大浴場_2入口

こちらが、脱衣所。
大浴場_2脱衣所

小坂川を見渡す展望浴場です。
大浴場_2浴槽1

大浴場_2浴槽2

大浴場_2洗い場





<夕食は>
夕食は前述の事情で、部屋食ではなく、食堂で。
ちょっと遅めのスタートとなってしまいました。
夕食_食堂

テーブルには、料理が用意されています。
夕食_料理オンパレ

地元でしか味わえない。岩魚の刺身。
夕食_岩魚刺身

筍とフキの煮物、胡麻豆腐
夕食_筍とフキの煮物、胡麻豆腐

アマゴの塩焼き
夕食_あまご塩焼き

山菜の天ぷら。
夕食_山菜天ぷら

蕎麦。
夕食_蕎麦

飛騨牛ほう葉味噌焼き
夕食_飛騨牛ほう葉味噌焼き

高山の地酒を注文して、ゆったりと味わいましょう。

カウンター側の離れたテーブル席に宿主が座り、競馬新聞を眺めながら、
時々、話し相手になってくれます。
気さくな感じで、こちらも、まるで常連客になった気分で話せます。
世間話や、翌日の観光ルートなど、他愛もない話をしながらの夕餉は、
料理屋のカウンター越しの会話の雰囲気です。
ただ、宿主は、時々タバコを吸います。
位置的に離れているので、煙が来ることはありませんが、タバコ嫌いの方には、
ちょっとNGかも。。。

今回の夕食プランは、品数少なめのリーズナブルコースでしたが、十分満足できる料理内容です。
この料理を出されたら、これまでの事は、目をつぶってしまえますなあ。


夕食の間に、いつの間にか、部屋に布団が敷かれていました。
宿主にそんな時間があったっけ?かなり、素早いです。
和室_布団

小坂川のせせらぎ音を聞きながら、今も、昭和の時代も、同じように夜は更けて行きます。

<朝食は>
朝食も、同じく1階の食堂で。
地元食材を使った料理が並びます。
朝食_オンパレ

鮎煮魚。
朝食_鮎煮魚

朴葉みそ焼き。
朝食_ほう葉みそ焼き

朝食も、大満足な内容でございました。

<館内施設、その他>
宿に売店はありません。
自動販売機もありません。

徒歩圏内に、温泉施設「ひめしゃがの湯」があります。
営業時間は、11時~20時。入浴料は、大人800円です。
広大な敷地に、露天風呂もあります。





<悠久の旅人のつぶやき>
年配の宿主が、ほとんど一人でやっているようで、館内のメンテも行き届かず、
見た目に清潔感に欠ける印象です。
でも、旅館としての最低限のレベルは維持されています。
(トイレのメンテのみ、早急に取り組んで頂きたいですが…)
女性客、アベック(昭和風に、カップルのことです)、子連れファミリーには、おススメしません。
・・・が、温泉の湯が良く、料理が美味く、料金は超リーズナブルで、デメリット部がさほど気にならない男性陣には、
誰にも知られたくない、この上ない、隠れ家的な宿だと言えます。
何とか、元気に続けて頂きたいなあ。
もちろん、再訪問アリです。


宿をチェックアウトした後、近くにある「道の駅・南飛騨小坂」に立ち寄りました。
ここには、設備面も整った、清潔なトイレがあります。
フリーで使えるWi-Fiもあります。
観光ルートを確認しようと、スマホで、飛騨小坂の観光ホームページを開きます。
宿泊案内のページがあるので、朝六荘を探してみると、載っていません。
まさに、人知れぬ隠れ家なのか。
ちょうど、観光案内コーナーが開いたので、観光施設の確認に立ち寄ります。
「昨夜泊まった朝六荘は、観光案内のホームページに載ってないんですね。」
話のついでに、そう尋ねると、年配の担当者は、怪訝そうな表情で、こう言いました。
「朝六荘…。昨夜泊まった、って、勘違いでしょう。朝六荘は、そう30年ほど前かな。
ちょうど、昭和の終わりに、閉館していますよ。」

朝六荘。どうぞ、ご来館をお待ちしております。
(終)、







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