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大井川鐡道を追いかけて、大井川を遡上ドライブ(静岡県川根本町)<後編>~~絶景!快適ドライブウェイ中部編

千頭から井川へ、大井川沿いを絶景ドライブ。まさに秘境!大井川鐵道井川線編。
KEY WORD: 大井川鐵道、井川線、奥泉駅、接岨峡温泉駅、井川駅、長島ダム、井川ダム
マップ <大井川鐵道井川線
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大井川鐵道井川線」は、静岡県川根本町の「千頭駅」と静岡市葵区の「井川駅」とを結ぶ鉄道路線で、「南アルプスあぷとライン」の愛称がつけられています。

路線距離は、25.5キロ。
大井川の流れに沿って山間を縫うように敷設されているため、カーブが多く、全線の1/3がトンネルと橋梁で占められています。
沿線に民家は非常に少なく、利用者は大半が観光客です。赤字ローカル線ですが、赤字額は中部電力が負担しています。

井川線は、1935年(昭和10年)3月に電力会社の専用鉄道として、千頭~大井川発電所(現在廃止)間で運行を開始、
1954年(昭和29年)4月に井川駅の先の「堂平駅」までが開通しました。
その後、1959年(昭和34年)8月に、中部電力から大井川鉄道が引き継ぎ、大井川鉄道井川線として旅客営業を開始しました。

井川線で運行されている車両は、一般車両と比べると、かなり小さく、トロッコ列車という感じです。
千頭駅」から、井川線を追いかけて、ドライブ旅に出発!
千頭駅1
千頭駅2
千頭駅3

県道77号線を進むと大井川に架かる橋を渡ります。井川線を見ると、何やら車庫のような場所があります。
道路脇に駐車スペースがあるので、ここに車を停めて、向かいます。
大井川に架かる「両国吊橋」を渡ります。
両国吊橋

大井川の堤に車庫があります。看板には「ようこそ 奥大井へ」と書かれています。なんとも、のどかな景観。
車庫

近くを走る井川線は、「川根両国駅」から先は、大井川の流れに沿って、カーブとトンネルが続きます。
井川線 両国付近

この先、県道77号線はバイパス道となり、いくつものトンネルを抜けて行きますので、井川線とは、しばらく離れます。





再び、合流するのは、井川線の主要駅である「奥泉駅」となります。
奥泉駅2
奥泉駅1
奥泉駅は、寸又峡温泉に一番近い駅で、千頭駅始発の寸又峡行き路線バスも停車します。

この先、県道77号線は、寸又峡温泉方面へ山間を登って、井川線とは離れて行きますので、大井川沿いを往く県道388号線を走ります。
整備されたバイパス道のトンネルを2つ抜けると、視界が開け、前方に大きなダムが出現します。2001年(平成13年)に完成した「長島ダム」です。
長島ダム1

流域の年間降水量が3,000ミリを超える大井川は、度々、洪水を引き起こしていました。特に、1974年(昭和49年)7月の通称「七夕豪雨」では、静岡県下に甚大な被害をもたらし、大井川に多目的ダムを建設して、大井川流域の治水と利水を賄おうとする事業が立ち上がり、「大井川総合開発事業」の中核施設となったのが長島ダムでした。
そうして、計画から29年後、堤高109メートル、堤頂長308メートルの重力式コンクリートダムである「長島ダム」が完成します。

しかし、ダム建設によって、本川根町の39戸が水没、関連移転を含めると43戸の住居が移転を余儀なくされました。
また、大井川沿岸を走る井川線が、「川根市代駅」から「川根長島駅」間で、ダム建設により水没する事になります。井川線の存廃問題が起こりますが、存続を求める声が大きかったため、建設省は、井川線の付け替え工事の施工を開始することになります。

付け替えにより、「川根市代駅」から長島ダム右岸までの間が、標高差ができて急勾配となり、通常車両では登り下りできません。そこで、「川根市代駅」を「アプトいちしろ駅」と改称、長島ダム右岸に「長島ダム駅」を新設して、この2駅間を電気機関車によって推進する方式が取られました。
レール部には、「アプト式ラックレール」が採用されました。これは、2本のレールの中央に歯型のレール(ラックレール)を敷設し、車両の床下に設置された歯車(ピニオン)とかみ合わせることで、急勾配を登り下りする鉄道で、スイスなど欧米の登山鉄道で用いられている方式です。
アプト式鉄道

この「アプト式」は、日本では、井川線の他に、旧国鉄信越本線横川駅~軽井沢駅間の碓氷峠でも用いられていましたが、廃線となったため、日本唯一のラック式鉄道(アプト式)区間のある路線です。

ダム湖を渡る鉄橋を「奥大井レインボーブリッジ」と名付け、橋の中間に「奥大井湖上駅」を新設しました。そうして、井川線には「南アルプスあぷとライン」の愛称が付けられたのです。

長島ダムは「地域に開かれたダム」として、ダム本体や周辺施設を積極的に一般に開放しており、社会科見学や観光に訪れる人も多く、「長島ダムふれあい館」の他、公園やキャンプ場も整備されています。無料駐車場があります。
長島ダム2

井川線は、長島ダムによって形成された人造湖「接岨湖(せっそこ)」沿いを走り、やがて人工湖が途切れるところで、沿線の主要駅である「接岨峡(せっそきょう)温泉駅」に着きます。
接岨峡温泉駅

接岨峡温泉は、源泉の湧出が昭和52年で比較的新しい温泉地です。3軒の温泉宿と日帰りの温泉会館があります。

この先の「接岨峡」は、V字型に切り立った断崖が約12kmにわたって続く渓谷です。
この先はまさに秘境で、実際、接岨峡温泉~井川間は、たびたび土砂崩れのため運休となっています。
最近では、2014年(平成26年)9月2日に「閑蔵駅」の約600メートル南側で崩土のため、接岨峡温泉~井川間が運休。復旧したのは、2017年(平成29年)3月11日です。



井川線は、渓谷沿いを大きくカーブしながら進みます。次の駅「尾盛(おもり)駅」は、駅周辺に民家は全くなく、駅に通じる公道も全くないという秘境駅。かつては、ダム建設関係者のために周辺に多数の宿舎や小学校もあり、医師も常駐していたといいます。

県道788号線もこの辺りはトンネルで通過。
次に井川線と出会うのは、「閑蔵駅」付近です。
尚、井川線の尾盛~閑蔵間には、日本でもっとも高い(川底から70.8メートル)鉄道橋「関の沢橋梁」があります。

この先も井川線は、大井川沿いを往きますが、県道はバイパス整備された区間が終わり、山の中腹へと登る未整備道路区間となります。全線舗装はされていますが、対向できない細い道です。
奥泉ダム付近を通る井川線とは、かなりの高低差があります。
井川線と大井川

やがて県道788号線は急な坂道を下り、県道60号線と合流。井川線とは終着駅「井川駅」で最後のご対面となります。
井川駅

駅を跨いで、県道60号線を少し行くと、1957年(昭和32年)に完成した「井川ダム」があります。
井川ダム

井川駅は終点駅ですが、以前は、この先の井川湖畔の「堂平駅」まで線路が伸びていました。井川~堂平間は、1971年(昭和46年)4月1日に廃止となっています。
もともと、井川線には、堂平駅から先、井川村中心部を経て、桃の木島平付近まで延長する計画があったのです。

ここで、大井川鐵道井川線を追いかけてのドライブ旅行は終わりです。
井川線を追いかけての千頭駅~井川駅までの走行距離は約21キロ、所要時間は1時間程です。

ここからは、来た道を戻ることになりますが、別ルートもあります。
この先、井川ダムから県道60号線を進むと、峠道を越え、新東名高速道路「新静岡IC」を経て、静岡市街に入り、JR静岡駅まで行けます。
但し、全舗装されているとはいえ、井川線以上のカーブが連続するアップダウンの厳しい細い道が続きます。
井川駅から静岡駅までの走行距離は55キロ、所要時間は1時間30分
ですが、あまりおススメできるルートではありません。
が、峠の頂上からは、井川の山々の向こうに南アルプスが見える絶景を見ることが出来ます・・・
県道 峠頂上

(掲載写真撮影日: 2015年12月27日~28日)





<2018年大井川周辺のおススメ宿>じゃらん口コミ評価4.0以上。
※表示の宿泊料金は、平日2名一室利用時の一人当り最安税抜価格です。
●時之栖 川根温泉ホテル(川根温泉) 1泊朝夕食付き 7,796円~
●川根温泉ふれあいコテージ(川根温泉) 4人棟コテージ一棟貸し(素泊まり) 14,000円~
●SL・トロッコ列車の旅におすすめの宿 民宿 奥大井(奥泉)1泊朝夕食付き 6,759円
●翠紅苑(寸又峡温泉) 1泊朝夕食付き 9,000円~
※この宿の詳細情報は、別記事<翠紅苑>をご覧ください。




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