「島原半島世界ジオパーク」の旅・後編(南島原市、島原市)雲仙温泉、小浜温泉~長崎周遊ドライブ旅④
島原半島南部を周遊ドライブし、日本史上最悪の悲劇の舞台となった「原城跡」を訪れる。
KEY WORD: 南串山棚畑展望台、口之津港、南島原、原城跡、島原外港、熊本フェリー
マップ <南島原>
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小浜温泉から島原半島南部をドライブするには、半島を周回する国道251号線で、橘湾沿いを走るのが常套ですが、今回は、別ルートを選びました。
まずは、国道57号線で雲仙方面へ山を上がります。
そして、途中、右折して、広域農道(グリーンロード)へ入りました。島原半島の丘陵地帯の尾根を行くルートです。
所どころ、右手車窓に橘湾を見ながら、島原半島の南端を目指し走ると、展望台が忽然と現れます。
小浜温泉から約13キロ、20分程で、「南串山棚畑展望台」に到着。
高さ3.7メートルの展望台に上がれば、整備された棚畑と橘湾の絶景が眺められます。


「長崎県だんだん畑10選」に選定された辺木地区・小竹木地区の棚畑約800枚は、整然とした棚畑やじゃがいも畑が広がり、アマチュア写真愛好家が多く訪れます。

特に馬鈴薯の作付けが行われる3月には畑に張られたマルチの照り返しが非常に美しく、人気です。
北海道に次いで、長崎県がじゃがいも(馬鈴薯)の生産量日本2位なのだという豆知識も仕入れました。これはクイズに使えますね。
無料駐車場、トイレ有り。
展望台を出て先へ進みます。広域農道からは、島原半島南西端にある加津佐町の風景が広がります。

かつては、島原鉄道は「加津佐駅」まで運行していましたが、2008年(平成20年)4月1日に島原外港~加津佐間を廃止されました。

この先で広域農道は、国道389号線に合流。丘を下り、海岸沿いの口之津町で国道251号線に合流します。合流点近くに、口之津港があります。南串山棚畑展望台から口之津港までは約12キロ、20分ほどです。
口之津港は、450年前南蛮船の来航があった島原半島南端の港で、現在は、天草下島の「天草鬼池港」とを約30分で結ぶ「島鉄フェリー」が運行されています。

6:30~18:30の間、平日13往復、土日・祝日15往復運航されています。島原半島から天草観光へ向かうのには非常に便利です。

航送運賃は、普通車(4m以上5m未満)で2,590円(運転者1名含む)、旅客運賃は、大人390円、小人180円です。
口之津からは国道251号線を島原方面に北上します。口之津から約9キロ、15分ほどで、「島原の乱」の舞台となった「原城跡」があります。

1637年(寛永14年)、一国一城令で廃城となった原城で「島原の乱(島原・天草の乱、島原・天草一揆とも呼ばれる)」が勃発しました。乱は、日本の歴史上最大規模の一揆であり、幕末以前では最後の本格的な内戦となりました。
天草四郎を総大将とし、約3万7千人が廃城となっていた原城に立て籠もり、組織立った籠城戦を展開して幕府軍と戦闘を繰り広げました。

一揆軍は3ヶ月に及ぶ籠城を続けました。原城の断崖絶壁を海まで降りて海藻を取り、尽きかけた兵糧の足しにしていました。
彼らは、キリスト教布教を進めていたポルトガル軍の援軍を信じて待っていましたが、最終的に、海から現れたのは、オランダの支援を受けた幕府軍だったのです。

そして、ついに1638年4月11日から12日にかけての総攻撃で一揆軍は全滅。幕府軍により、老人や女子供に至るまで一人残らず皆殺しにされたと記録されています。
幕府軍は、乱の終結後、原城が再び一揆の拠点として使用されることのないよう徹底的に破壊。虐殺された一揆軍3万7千人の遺体は、廃墟となった原城の敷地内にまとめて埋められました。
原城本丸には、祈りをささげる天草四郎像や、西有家町の民家の石垣に埋もれていた天草四郎の墓石が移されています。


見学自由。無料駐車場、トイレ有り。
ところで、私が子供のころに習った日本史では、「島原の乱」はキリスト教弾圧が一揆の要因とされていますが、同時代の記録では、反乱の原因を年貢の取りすぎにあるとしています。
これは、島原藩主であった松倉勝家が、自らの失政を認めず、この反乱をキリシタンの暴動と主張、そして江戸幕府も「島原の乱」をキリシタン弾圧の口実に利用したため、「島原の乱=キリシタンの反乱(宗教戦争)」という見方が定着したようです。
天草四郎時貞を総大将としていますが、実際の戦闘を指導したのは、キリシタン大名であった有馬晴信(島原)、小西行長(天草)の旧臣で、武士身分から百姓身分に転じていた浪人たちだったと思われます。
その後も幕府は、「島原の乱」をキリシタンたちの悪行と決めつけ、キリスト教の排斥・弾圧のプロパガンダとして利用し、「島原の乱」鎮圧の1年半後には、ポルトガル人が日本から追放され、いわゆる「鎖国」が始まったのでした。
原城址から国道を北へ進むと、約25キロ、40分程で、島原市内の「島原外港」へ出ます。
ここから、国道251号線をさらに北上し、諫早から大村にある「長崎空港」へは、約65キロ、1時間30分ほどです。
熊本方面へ行くなら、「熊本フェリー」が早くて便利です。
熊本港-島原外港を30分で結ぶ、超快適な高速フェリー「オーシャンアロー号」は、約30分で航行する日本を代表する高速フェリーです。開発製造は、東京大学教授とIHI社です。

オーシャンアローの運航は、島原外港始発08:25~17:30の平日1日6便。4月~12月の土日は最終便19:20発が1便増えます。
乗り心地はかなり快適で30分はスグに過ぎてしまいます。有明海を回り込んで行くより、かなりの時間の節約になります。おススメの移動手段です。
航送料金は、普通車(4m以上5m未満)で3,700円(運転者1名含む)。旅客運賃は、大人1,000円、小人500円です。
長崎のドライブ旅もこれで終了。
「オーシャンアロー号」のデッキから雲仙岳を見送りながらのお別れです。


(写真撮影日: 2016年1月14日/2016年8月30日)
<2017年島原半島のおススメ宿>じゃらん口コミ評価4.2以上。
※表示の宿泊料金は、平日2名一室利用時の一人当り最安税抜価格です。
●有明海に朝日が昇る 掛け流し絶景海見露天の宿 島原温泉 南風楼(島原温泉) 1泊朝夕食付き 12,500円~
●白濁源泉掛け流し八湯めぐりの湯 民芸モダンの宿 雲仙福田屋(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 10,000円~
●雲仙温泉 かけ流し自家源泉を持つ美食の宿 東園(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 15,000円~
●雲仙観光ホテル(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 27,777円~
●掛け流し温泉美肌の湯 雲仙宮崎旅館(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 15,000円~
●雲仙 湯元ホテル~源泉かけながしの温泉旅館~(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 8,500円~
●4種の自家源泉 ゆやど 雲仙新湯~異なる泉質の源泉かけ流し~(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 10,000円~
●雲仙・小地獄温泉 国民宿舎 青雲荘(雲仙小地獄温泉) 1泊朝夕食付き 8,650円~
※この宿の詳細情報は、別記事<雲仙・小地獄温泉 国民宿舎 青雲荘>をご覧ください。
●旅館國崎(小浜温泉 1泊朝夕食付き) 15,000円~
●海辺の宿 つたや旅館(小浜温泉) 1泊朝夕食付き 9,166円~
●雲仙・小浜温泉 春陽館 露天風呂から眺める夕陽が絶景の宿(小浜温泉) 1泊朝夕食付き 10,000円~
●創業三百四十余年 長崎一の歴史を誇る老舗旅館 小浜 伊勢屋旅館(小浜温泉) 1泊朝夕食付き 8,000円~
※この宿の詳細情報は、別記事<小浜温泉 伊勢屋旅館>をご覧ください。
●旅館ゆのか(小浜温泉) 1泊朝夕食付き 9,000円~
●オレンジ・ベイ(小浜温泉) 1泊朝食のみ付き 10,648円~
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KEY WORD: 南串山棚畑展望台、口之津港、南島原、原城跡、島原外港、熊本フェリー
マップ <南島原>
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小浜温泉から島原半島南部をドライブするには、半島を周回する国道251号線で、橘湾沿いを走るのが常套ですが、今回は、別ルートを選びました。
まずは、国道57号線で雲仙方面へ山を上がります。
そして、途中、右折して、広域農道(グリーンロード)へ入りました。島原半島の丘陵地帯の尾根を行くルートです。
所どころ、右手車窓に橘湾を見ながら、島原半島の南端を目指し走ると、展望台が忽然と現れます。
小浜温泉から約13キロ、20分程で、「南串山棚畑展望台」に到着。
高さ3.7メートルの展望台に上がれば、整備された棚畑と橘湾の絶景が眺められます。


「長崎県だんだん畑10選」に選定された辺木地区・小竹木地区の棚畑約800枚は、整然とした棚畑やじゃがいも畑が広がり、アマチュア写真愛好家が多く訪れます。

特に馬鈴薯の作付けが行われる3月には畑に張られたマルチの照り返しが非常に美しく、人気です。
北海道に次いで、長崎県がじゃがいも(馬鈴薯)の生産量日本2位なのだという豆知識も仕入れました。これはクイズに使えますね。
無料駐車場、トイレ有り。
展望台を出て先へ進みます。広域農道からは、島原半島南西端にある加津佐町の風景が広がります。

かつては、島原鉄道は「加津佐駅」まで運行していましたが、2008年(平成20年)4月1日に島原外港~加津佐間を廃止されました。

この先で広域農道は、国道389号線に合流。丘を下り、海岸沿いの口之津町で国道251号線に合流します。合流点近くに、口之津港があります。南串山棚畑展望台から口之津港までは約12キロ、20分ほどです。
口之津港は、450年前南蛮船の来航があった島原半島南端の港で、現在は、天草下島の「天草鬼池港」とを約30分で結ぶ「島鉄フェリー」が運行されています。

6:30~18:30の間、平日13往復、土日・祝日15往復運航されています。島原半島から天草観光へ向かうのには非常に便利です。

航送運賃は、普通車(4m以上5m未満)で2,590円(運転者1名含む)、旅客運賃は、大人390円、小人180円です。
口之津からは国道251号線を島原方面に北上します。口之津から約9キロ、15分ほどで、「島原の乱」の舞台となった「原城跡」があります。

1637年(寛永14年)、一国一城令で廃城となった原城で「島原の乱(島原・天草の乱、島原・天草一揆とも呼ばれる)」が勃発しました。乱は、日本の歴史上最大規模の一揆であり、幕末以前では最後の本格的な内戦となりました。
天草四郎を総大将とし、約3万7千人が廃城となっていた原城に立て籠もり、組織立った籠城戦を展開して幕府軍と戦闘を繰り広げました。

一揆軍は3ヶ月に及ぶ籠城を続けました。原城の断崖絶壁を海まで降りて海藻を取り、尽きかけた兵糧の足しにしていました。
彼らは、キリスト教布教を進めていたポルトガル軍の援軍を信じて待っていましたが、最終的に、海から現れたのは、オランダの支援を受けた幕府軍だったのです。

そして、ついに1638年4月11日から12日にかけての総攻撃で一揆軍は全滅。幕府軍により、老人や女子供に至るまで一人残らず皆殺しにされたと記録されています。
幕府軍は、乱の終結後、原城が再び一揆の拠点として使用されることのないよう徹底的に破壊。虐殺された一揆軍3万7千人の遺体は、廃墟となった原城の敷地内にまとめて埋められました。
原城本丸には、祈りをささげる天草四郎像や、西有家町の民家の石垣に埋もれていた天草四郎の墓石が移されています。


見学自由。無料駐車場、トイレ有り。
ところで、私が子供のころに習った日本史では、「島原の乱」はキリスト教弾圧が一揆の要因とされていますが、同時代の記録では、反乱の原因を年貢の取りすぎにあるとしています。
これは、島原藩主であった松倉勝家が、自らの失政を認めず、この反乱をキリシタンの暴動と主張、そして江戸幕府も「島原の乱」をキリシタン弾圧の口実に利用したため、「島原の乱=キリシタンの反乱(宗教戦争)」という見方が定着したようです。
天草四郎時貞を総大将としていますが、実際の戦闘を指導したのは、キリシタン大名であった有馬晴信(島原)、小西行長(天草)の旧臣で、武士身分から百姓身分に転じていた浪人たちだったと思われます。
その後も幕府は、「島原の乱」をキリシタンたちの悪行と決めつけ、キリスト教の排斥・弾圧のプロパガンダとして利用し、「島原の乱」鎮圧の1年半後には、ポルトガル人が日本から追放され、いわゆる「鎖国」が始まったのでした。
原城址から国道を北へ進むと、約25キロ、40分程で、島原市内の「島原外港」へ出ます。
ここから、国道251号線をさらに北上し、諫早から大村にある「長崎空港」へは、約65キロ、1時間30分ほどです。
熊本方面へ行くなら、「熊本フェリー」が早くて便利です。
熊本港-島原外港を30分で結ぶ、超快適な高速フェリー「オーシャンアロー号」は、約30分で航行する日本を代表する高速フェリーです。開発製造は、東京大学教授とIHI社です。

オーシャンアローの運航は、島原外港始発08:25~17:30の平日1日6便。4月~12月の土日は最終便19:20発が1便増えます。
乗り心地はかなり快適で30分はスグに過ぎてしまいます。有明海を回り込んで行くより、かなりの時間の節約になります。おススメの移動手段です。
航送料金は、普通車(4m以上5m未満)で3,700円(運転者1名含む)。旅客運賃は、大人1,000円、小人500円です。
長崎のドライブ旅もこれで終了。
「オーシャンアロー号」のデッキから雲仙岳を見送りながらのお別れです。


(写真撮影日: 2016年1月14日/2016年8月30日)
<2017年島原半島のおススメ宿>じゃらん口コミ評価4.2以上。
※表示の宿泊料金は、平日2名一室利用時の一人当り最安税抜価格です。
●有明海に朝日が昇る 掛け流し絶景海見露天の宿 島原温泉 南風楼(島原温泉) 1泊朝夕食付き 12,500円~
●白濁源泉掛け流し八湯めぐりの湯 民芸モダンの宿 雲仙福田屋(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 10,000円~
●雲仙温泉 かけ流し自家源泉を持つ美食の宿 東園(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 15,000円~
●雲仙観光ホテル(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 27,777円~
●掛け流し温泉美肌の湯 雲仙宮崎旅館(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 15,000円~
●雲仙 湯元ホテル~源泉かけながしの温泉旅館~(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 8,500円~
●4種の自家源泉 ゆやど 雲仙新湯~異なる泉質の源泉かけ流し~(雲仙温泉) 1泊朝夕食付き 10,000円~
●雲仙・小地獄温泉 国民宿舎 青雲荘(雲仙小地獄温泉) 1泊朝夕食付き 8,650円~
※この宿の詳細情報は、別記事<雲仙・小地獄温泉 国民宿舎 青雲荘>をご覧ください。
●旅館國崎(小浜温泉 1泊朝夕食付き) 15,000円~
●海辺の宿 つたや旅館(小浜温泉) 1泊朝夕食付き 9,166円~
●雲仙・小浜温泉 春陽館 露天風呂から眺める夕陽が絶景の宿(小浜温泉) 1泊朝夕食付き 10,000円~
●創業三百四十余年 長崎一の歴史を誇る老舗旅館 小浜 伊勢屋旅館(小浜温泉) 1泊朝夕食付き 8,000円~
※この宿の詳細情報は、別記事<小浜温泉 伊勢屋旅館>をご覧ください。
●旅館ゆのか(小浜温泉) 1泊朝夕食付き 9,000円~
●オレンジ・ベイ(小浜温泉) 1泊朝食のみ付き 10,648円~
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