白兎海岸と「因幡の白兎」伝説(鳥取県鳥取市)~山陰海岸ジオパークめぐり③
山陰海岸ジオパークにある「白兎海岸」。有名な神話の舞台です。しかし、これには諸説アリ!そして、「恋人の聖地」って、なに?
KEY WORD: 山陰海岸ジオパーク、白兎海岸、因幡の白兎、道の駅・神話の里 白うさぎ、恋人の聖地
マップ <白兎海岸>
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鳥取砂丘から国道9号線を西へ約12キロ、車で20分ほど行くと、右手に「白兎(はくと)海岸」が広がります。


大国主と白兎の神話の舞台です。山陰海岸ジオパークに属しています。
海岸と国道を挟んだところには、「道の駅・神話の里 白うさぎ」があります。館内には、地元特産品を生かしたオリジナルメニューを提供するレストランや、地元特産品の売店があります。駐車場の裏山には、白兎神社があります。
神話「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」は、『古事記』に記された「稻羽之素菟」(稲羽の素兎)を現代訳したもので、だれもが一度は聞いたことがある説話で、、「大国主の国づくり」の前に、なぜ他の兄弟神をさしおいて大国主(おおくにぬし)が国をもったかを説明する一連の話の一部です。
しかし、一般には、そこまでの話しは知られておらず、「和邇(ワニ)をだまして海を渡った白兎と、意地悪な神々と、親切な大国主」という感じかと思います。
「道の駅・神話の里 白うさぎ」のホームページに記載されている神話の内容を下記に引用します。
しばし、太古の神話の世界を楽しんでください。

昔々、隠岐の島に住む1匹の白兎が、ある姫神に会いたいと思い因幡の国へ行きたいと考えていました。しかし、隠岐の島と因幡の間は海でとても自力では渡れません。
そこで白兎は和邇(ワニザメ)をだまして向こう岸に渡ろうと考え、『ワニザメさん、君たちの仲間と僕たちの仲間とどちらが多いか比べてみようよ』と提案し、 ワニザメを因幡の国まで並べさせ、その上をピョンピョンと渡っていきました。
そしてもう少しで向こう岸に着こうというとき、あまりの嬉しさについ、『君たちはだまされたのさ』と言ってしまいました。 それに怒ったワニザメは、白兎の体中の毛をむしり取り、あっという間に丸裸にしてしまいました。
丸裸にされた白兎がその痛みで砂浜で泣いていると、そこに大国主命の兄神様が大勢通りかかり(大国主命の兄神達は、隣の因幡の国に八上姫という美しい姫がいるという噂を聞きつけ、 自分のお嫁さんにしようと、因幡の国に向かっている途中でした)、 面白半分に『海水で体を洗い、風に当たってよく乾かし、高い山の頂上で寝ていれば治る』と言いました。 白兎が言われたとおりにしてみると、海水が乾くにつれて体の皮が風に吹き裂かれてしまい、ますますひどくなってしまいました。
あまりの痛さに白兎が泣いていると、兄神達の全ての荷物を担がされて大きな袋を背負った大国主命が、兄神達からずいぶんと遅れて通りかかり、白兎に理由を尋ねました。 そして、『河口に行って真水で体を洗い、蒲の穂をつけなさい』と言いました。
白兎がその通りにすると、やがて毛が元通りになりました。
(と、ここまでが有名なお話し。実は、私もここまでしか知りませんでした。
では、続きを。)
たいそう喜んだ白兎は『八上姫は兄神ではなく、あなたを選ぶでしょう。 あのような意地悪な神様は、八上姫をお嫁にもらうことは出来ません』と言い残し、自らが伝令の神となって、兄神達の到着より前に、この事実を八神姫に伝えたのでした。
これを知らない兄神達は、先を競って姫に結婚を申し込みましたが、姫はそっけなく対応し、『私はあなた方ではなく、大国主命の元へ嫁ぎます』と言い、兄神達を追い返したのでした。

しかし、ちょっと待った!諸説アリ!
京都生まれ、京都育ちの私が、幼少のころに聞いた話と、シチュエーションに違いがあります。実際、学者、学界や研究者でも、諸説アリ!です。
まず、「隠岐の島(島根県)から、因幡の国(鳥取県鳥取市)」へ白うさぎは渡ろうとした、となっていますが、幼少の頃の記憶では、白うさぎは「海岸から見える沖の島」へ渡りたかった、と聞いていました。
白兎海岸の西端にある河原火砕岩層の海食崖と断層によって切り離された「淤岐ノ島(おきのしま)」のことです。島の周囲には波食棚が取り巻き、飛び石状になった棚は「ワニの背」にたとえられます、とのこと(鳥取市山陰海岸ジオパーク情報ホームページ記載)。

第一、白兎海岸と隠岐の島は、少なくとも50キロ以上離れてますから、サメやワニを集めるにしても、飛び石のように並べても追っつきませんわ。神話ながら非現実的。いづれにせよ、諸説アリ!
白うさぎが背中を飛んで行った「和邇」に関しても、諸説アリ!
和邇(元は、日本神話に登場する海の怪物)=山陰地方の方言ではサメをワニと呼ぶことから、「ワニザメ」と解釈する説、
和邇=江戸時代中期の朱子学者・新井白石らが唱える、「ワニ」と解釈する説。
そのほか、「ウミヘビ」説まであります。
因幡の白兎伝説の書物の挿絵でも、サメが描かれているものも、ワニが描かれているものも、混在しています。何れにせよ、諸説アリ!
ともあれ、神話、伝説の話ではありますが、古今東西、歴史学者や国文学者をはじめとする多くの知識人が論じ合ってきました。
まあ、白兎海岸へ行って、自身の目で確かめて、自分なりの解釈を持つのも楽しいものです。

あ、さて。
この神話の白うさぎは、鳥取県で「白兎神社」の御祭神となっています。白うさぎは、八上姫(やがみひめ)と大国主命との縁を見事に取り持ち、ある特定の人やかなわぬ人との縁を取り持つ神として祀られています。
また、白兎海岸は、日本で初めてのラブストーリーの発祥地「白兎」として、2010年には「恋人の聖地」として認定されました。「淤岐ノ島(おきのしま)」の向こうに沈む夕日は絶景です。
ちなみに、観光スポットでよく見かける「恋人の聖地」ですが、これはNPO法人「地域活性化支援センター」が主催する「恋人の聖地プロジェクト」により選定されたデートスポットです。
なんと、「少子化対策と地域の活性化への貢献」をテーマに、「非婚化・未婚化の進行」を少子化問題のひとつとして捉え、全国の観光地域の中からプロポーズにふさわしいロマンティックなスポットを「恋人の聖地」として選定しています。
「恋人の聖地」2017年11月現在、全国で140カ所、「恋人の聖地サテライト」は91カ所が認定されています。
(写真撮影日: 2015年11月11日/2016年6月30日)
<2017年白兎海岸周辺のおススメ宿>じゃらん口コミ評価4.0以上。
※表示の宿泊料金は、平日2名一室利用時の一人当り最安税抜価格です。
●鳥取温泉 観水庭こぜにや 白水館・碧水亭(鳥取市) 1泊朝夕食付き 15,638円~
●鳥取温泉 観水庭こぜにや 玄水亭(旧館)(鳥取市) 1泊朝夕食付き 13,638円~
●鳥取グリーンホテルモーリス(鳥取市) 1泊朝食のみ付き 6,023円~
※この宿の詳細情報は、別記事<鳥取グリーンホテルモーリス>をご覧ください。
●湯守りの宿 田中屋 (吉岡温泉) 1泊朝夕食付き 10,648円~
●摘み草の宿 湯菜花(吉岡温泉) 1泊朝夕食付き 9,259円~
●吉岡温泉 たから屋旅館(吉岡温泉) 1泊朝夕食付き 8,796円~
●中島屋旅館(吉岡温泉) 1泊朝夕食付き 8,333円~
●浜村温泉 魚と屋(浜村温泉) 1泊朝夕食付き 7,600円~
●国民宿舎 山紫苑(鹿野温泉) 1泊朝夕食付き 6,527円~
※この宿の詳細情報は、別記事<国民宿舎 山紫苑>をご覧ください。
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KEY WORD: 山陰海岸ジオパーク、白兎海岸、因幡の白兎、道の駅・神話の里 白うさぎ、恋人の聖地
マップ <白兎海岸>
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鳥取砂丘から国道9号線を西へ約12キロ、車で20分ほど行くと、右手に「白兎(はくと)海岸」が広がります。


大国主と白兎の神話の舞台です。山陰海岸ジオパークに属しています。
海岸と国道を挟んだところには、「道の駅・神話の里 白うさぎ」があります。館内には、地元特産品を生かしたオリジナルメニューを提供するレストランや、地元特産品の売店があります。駐車場の裏山には、白兎神社があります。
神話「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」は、『古事記』に記された「稻羽之素菟」(稲羽の素兎)を現代訳したもので、だれもが一度は聞いたことがある説話で、、「大国主の国づくり」の前に、なぜ他の兄弟神をさしおいて大国主(おおくにぬし)が国をもったかを説明する一連の話の一部です。
しかし、一般には、そこまでの話しは知られておらず、「和邇(ワニ)をだまして海を渡った白兎と、意地悪な神々と、親切な大国主」という感じかと思います。
「道の駅・神話の里 白うさぎ」のホームページに記載されている神話の内容を下記に引用します。
しばし、太古の神話の世界を楽しんでください。

昔々、隠岐の島に住む1匹の白兎が、ある姫神に会いたいと思い因幡の国へ行きたいと考えていました。しかし、隠岐の島と因幡の間は海でとても自力では渡れません。
そこで白兎は和邇(ワニザメ)をだまして向こう岸に渡ろうと考え、『ワニザメさん、君たちの仲間と僕たちの仲間とどちらが多いか比べてみようよ』と提案し、 ワニザメを因幡の国まで並べさせ、その上をピョンピョンと渡っていきました。
そしてもう少しで向こう岸に着こうというとき、あまりの嬉しさについ、『君たちはだまされたのさ』と言ってしまいました。 それに怒ったワニザメは、白兎の体中の毛をむしり取り、あっという間に丸裸にしてしまいました。
丸裸にされた白兎がその痛みで砂浜で泣いていると、そこに大国主命の兄神様が大勢通りかかり(大国主命の兄神達は、隣の因幡の国に八上姫という美しい姫がいるという噂を聞きつけ、 自分のお嫁さんにしようと、因幡の国に向かっている途中でした)、 面白半分に『海水で体を洗い、風に当たってよく乾かし、高い山の頂上で寝ていれば治る』と言いました。 白兎が言われたとおりにしてみると、海水が乾くにつれて体の皮が風に吹き裂かれてしまい、ますますひどくなってしまいました。
あまりの痛さに白兎が泣いていると、兄神達の全ての荷物を担がされて大きな袋を背負った大国主命が、兄神達からずいぶんと遅れて通りかかり、白兎に理由を尋ねました。 そして、『河口に行って真水で体を洗い、蒲の穂をつけなさい』と言いました。
白兎がその通りにすると、やがて毛が元通りになりました。
(と、ここまでが有名なお話し。実は、私もここまでしか知りませんでした。
では、続きを。)
たいそう喜んだ白兎は『八上姫は兄神ではなく、あなたを選ぶでしょう。 あのような意地悪な神様は、八上姫をお嫁にもらうことは出来ません』と言い残し、自らが伝令の神となって、兄神達の到着より前に、この事実を八神姫に伝えたのでした。
これを知らない兄神達は、先を競って姫に結婚を申し込みましたが、姫はそっけなく対応し、『私はあなた方ではなく、大国主命の元へ嫁ぎます』と言い、兄神達を追い返したのでした。

しかし、ちょっと待った!諸説アリ!
京都生まれ、京都育ちの私が、幼少のころに聞いた話と、シチュエーションに違いがあります。実際、学者、学界や研究者でも、諸説アリ!です。
まず、「隠岐の島(島根県)から、因幡の国(鳥取県鳥取市)」へ白うさぎは渡ろうとした、となっていますが、幼少の頃の記憶では、白うさぎは「海岸から見える沖の島」へ渡りたかった、と聞いていました。
白兎海岸の西端にある河原火砕岩層の海食崖と断層によって切り離された「淤岐ノ島(おきのしま)」のことです。島の周囲には波食棚が取り巻き、飛び石状になった棚は「ワニの背」にたとえられます、とのこと(鳥取市山陰海岸ジオパーク情報ホームページ記載)。

第一、白兎海岸と隠岐の島は、少なくとも50キロ以上離れてますから、サメやワニを集めるにしても、飛び石のように並べても追っつきませんわ。神話ながら非現実的。いづれにせよ、諸説アリ!
白うさぎが背中を飛んで行った「和邇」に関しても、諸説アリ!
和邇(元は、日本神話に登場する海の怪物)=山陰地方の方言ではサメをワニと呼ぶことから、「ワニザメ」と解釈する説、
和邇=江戸時代中期の朱子学者・新井白石らが唱える、「ワニ」と解釈する説。
そのほか、「ウミヘビ」説まであります。
因幡の白兎伝説の書物の挿絵でも、サメが描かれているものも、ワニが描かれているものも、混在しています。何れにせよ、諸説アリ!
ともあれ、神話、伝説の話ではありますが、古今東西、歴史学者や国文学者をはじめとする多くの知識人が論じ合ってきました。
まあ、白兎海岸へ行って、自身の目で確かめて、自分なりの解釈を持つのも楽しいものです。

あ、さて。
この神話の白うさぎは、鳥取県で「白兎神社」の御祭神となっています。白うさぎは、八上姫(やがみひめ)と大国主命との縁を見事に取り持ち、ある特定の人やかなわぬ人との縁を取り持つ神として祀られています。
また、白兎海岸は、日本で初めてのラブストーリーの発祥地「白兎」として、2010年には「恋人の聖地」として認定されました。「淤岐ノ島(おきのしま)」の向こうに沈む夕日は絶景です。
ちなみに、観光スポットでよく見かける「恋人の聖地」ですが、これはNPO法人「地域活性化支援センター」が主催する「恋人の聖地プロジェクト」により選定されたデートスポットです。
なんと、「少子化対策と地域の活性化への貢献」をテーマに、「非婚化・未婚化の進行」を少子化問題のひとつとして捉え、全国の観光地域の中からプロポーズにふさわしいロマンティックなスポットを「恋人の聖地」として選定しています。
「恋人の聖地」2017年11月現在、全国で140カ所、「恋人の聖地サテライト」は91カ所が認定されています。
(写真撮影日: 2015年11月11日/2016年6月30日)
<2017年白兎海岸周辺のおススメ宿>じゃらん口コミ評価4.0以上。
※表示の宿泊料金は、平日2名一室利用時の一人当り最安税抜価格です。
●鳥取温泉 観水庭こぜにや 白水館・碧水亭(鳥取市) 1泊朝夕食付き 15,638円~
●鳥取温泉 観水庭こぜにや 玄水亭(旧館)(鳥取市) 1泊朝夕食付き 13,638円~
●鳥取グリーンホテルモーリス(鳥取市) 1泊朝食のみ付き 6,023円~
※この宿の詳細情報は、別記事<鳥取グリーンホテルモーリス>をご覧ください。
●湯守りの宿 田中屋 (吉岡温泉) 1泊朝夕食付き 10,648円~
●摘み草の宿 湯菜花(吉岡温泉) 1泊朝夕食付き 9,259円~
●吉岡温泉 たから屋旅館(吉岡温泉) 1泊朝夕食付き 8,796円~
●中島屋旅館(吉岡温泉) 1泊朝夕食付き 8,333円~
●浜村温泉 魚と屋(浜村温泉) 1泊朝夕食付き 7,600円~
●国民宿舎 山紫苑(鹿野温泉) 1泊朝夕食付き 6,527円~
※この宿の詳細情報は、別記事<国民宿舎 山紫苑>をご覧ください。
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